こらから書く予定の、コラボ小説に繋がるお話です。
とはいっても、この話に出てくるキャラは、咲子・栞ちゃん・芙美だったりします。
毬さんとメッセで話していた時に出てきたネタ。

つづきをよむからどうぞ。





「ただいま」
「しおちゃん、おかえり!」

栞が学校から帰宅すると、玄関には姪っこふたりのお出迎えだった。
「ふーちゃん、来てたの?」
「うん。ふーちゃん、けんどおならうの。ゆうちゃんといっしょ。おおじじにいったの」
「え、ふーちゃん、剣道習いたいの?そうなんだ。・・・・・あ、咲ちゃんいらっしゃい」
芙美の手をひいて部屋に入れば、中にはまたもや実家にきている咲子。
「おかえりなさい、しーちゃん」
「ふーちゃん、剣道習いたいって」
カバンを脇に置いて咲子のむかいに座る。芙美は母親の咲子の隣にちょこんと座った。
「そうなのよ。まだ小さいからだめよって言ったんだけど、きかなくて」
「あれ、でも咲ちゃんはそのくらいからはじめたんでしょ?」
「まあ、そうだけど」
「私も咲ちゃんも剣道やめちゃったし、じじさまやおかあさんは喜ぶんじゃないかな」
「もうじじさまメロメロになっているわよ」
とあきれ顔に言う。
「かわいいひい孫だもん。いいじゃない」
「まあね。私も嬉しくないわけじゃないのよ。・・・ところでしーちゃん。朱雀の弓道部、今度翠嵐女子と試合やるんですってね」
「なんで知ってるの?」
栞は佑介から聞いていたとはいえ、まだ一応オフレコ話であるのでびっくりする。
そんな栞の様子に気にも留めず。
「深川のばばさまのところにお稽古に来ている都ちゃん知ってるでしょ?」
‘深川のばばさま‘とは栞と咲子の母・真穂の母のこと。呉服屋を営みながら茶道も教えている。
栞も時々稽古に通っているのだ。
「小学校で一緒だった徳成都(とくなり みやこ)ちゃんのこと?」
「そう。どうもね、校内ですごくウワサになっているらしいのよ。しーちゃんが朱雀に通ってるの知っているから、だから本当に朱雀とやるのかきいてみてほしいって」
「まだ正式決定じゃないみたいだけど、弓道部の顧問の藤成先生はOKだしたって佑くんからきいてるよ。でもウワサって」
「翠嵐女子は毎年学園祭での対抗試合はどの部も近隣の女子高とするのが通例で、だから毎年ほぼ同じ顔ぶれなんだけど、今年に限ってどうも弓道部の部長さんが違う学校と試合をしたいって学校側と掛け合ったらしいの。でも朱雀は公立で共学でしょう?で、いろいろあったみたい」
肩をすくめる咲子。
「・・・・共学だけど、女子部と試合するんだもの。問題ないと思うけどな」
「そういうワケにはいかないわ。男子だって当然ついて来るでしょう?」
「でも学園祭なら普通、他校の生徒たくさんくるじゃない」
「翠嵐女子はね、学園祭、チケット制なのよ」
「チケット制?!」
驚く栞。
「在校生一人につき五枚配布で、そのチケットがないと中に入れないんですって。家族や卒業生、受験志望の子でも受付でいろいろ書かされるらしいわ」
「そうなんだ。じゃ、佑くんとかも行けないのかな」
「それはないでしょう、弓道部の副部長だもの」
「でもそれじゃ、私は行けないな。せっかく衣里ちゃんの応援に行こうと思っていたのに」
「都ちゃんがチケットくれるって言ってたわ。久しぶりにしーちゃんに会いたいって」
「ほんと?」
「ほんと。・・・ちゃんとついていって、佑介くんに悪い虫がつかないようしっかり監視してらしゃい」
そこで咲子は栞にむかってウィンクした。
「咲ちゃん!」
途端、赤くなる栞。
「あら。都ちゃんの話だと学校側と掛け合った弓道部の部長さん、校内でも有名な「イケメン好き」なんですってよ。例の雑誌もしっかり見ていたそうだし」
「・・・・。佑くんが載りたいっていって、あの本に載ったわけじゃないもの」
(ちょっと、いじめすぎたかな?でもこのくらいつっつかないと進展しそうもないし)
そう思う当の咲子も、絃次と思いが通じ合うまでかなりの月日を消費しているのだが。
自分のことは思いっきり棚にあげている。
「そうだったわね。あの雑誌が発売された当初は佑介くんずいぶん辟易してたものね。着替えもさせずに引きとめちゃってごめんね。制服しわになっちゃうから、着替えてきたら?お茶の用意しておくから」
まだ少しすね気味の栞をたたせ、即す。
「ふーちゃん、またあとでね」
そう言うと栞は部屋をあとにした。
「おかあさん、しおちゃんいじめちゃ、めっ」

幼い娘に見上げられる咲子。
「いじめたわけじゃないんだけどね」
溜息をついた。
2008.03.13
Secret

TrackBackURL
→http://mizuhohagiri.blog35.fc2.com/tb.php/10-7fbb8507