「坊主になる」宣言をしてしまった佑介くんですが、果たして・・・・・(^^;)

つづきをよむからどうぞ。


「おっす、佑介」
「よお、航・・・・って、その頭」
素振りをしていた手を止めて、佑介は呆然と航を見た。
「ま、気合を入れようってことでさ。剃っちゃったよ(笑)」
少し照れながら、航は見事な坊主頭をかいた。

先日から始まった夏の全国高等学校総合体育大会---通称『インターハイ』の地区予選。
航は無事個人の部を勝ち抜き(団体はだめだったとのこと)、来月末にある東京都代表をかけた予選会に出場することとなった。
インターハイの代表切符はたった二枚。
春季大会やその他の地区大会などで上位に名を連ねる航でも、インターハイ出場となると簡単にはいかないのだ。

「そんなまじまじ見て。小中学校の頃はずっとこうだったじゃないか」
「まあ、そうだけど」
尚壽館に通い始めた頃から部活を引退する中3の秋口くらいまでは、ほぼずっと航はこの髪型だった。だからいまさらそんなに驚かなくてもと思うのだが、やはりその頃とはだいぶ印象が違うのだろう。

「・・・・佑介くん、航くんおはよう」
三羽がらすの3人目・月人だ。
「月人、おはよう」
「おす、つっきー」
と、ふたりがふりむけば、常よりは髪が短くなっていた月人が立っていた。
「お。つっきーも短くしたね」
わしゃわしゃと航は月人の頭をかきまぜる。
月人と航は家が近所ではあるが、地区予選の会場はまったく別の場所だったので、航も月人の短くなった姿を見るのは今日が初めてであった。
「やめてよ、航くん;;」
航の手を振り払う月人。
佑介はまじまじとそんな月人見ている。
「坊主ではないにせよ、月人も短くしたんだな。・・・・じゃあ、俺も約束を果たさないと」
苦笑しつつ、己の頭を撫でる佑介。
別段、今の髪型に未練はないが、中学以来の坊主頭だ。自分自身どんな風になるのかいまいち想像がつかなかった。
「んな、無理に坊主頭にしなくたって;;佑介がそうなったら、学校で女の子たちが泣くぞ」
「なんだよそれ」
「『せっかくのイケメンが』ってさ」
「あのなあ;;」
「そりゃね、今のこの色気あふれるオトコマエな風貌での坊主頭も見たい気はするけどさ」
「わ~た~る~(--;)」
航はどこか面白がっているようだ。

「・・・だめだよ」
それまで黙っていた月人がぼそっと言った。
「月人?」
「つっきー?」
佑介と航の視線が月人に注がれる。
月人はばっと顔をあげて、佑介の道着の袖をがしっと掴み。
「佑介くんはやっぱりだめっ!!それが一番似合うもん」
言い切った。
「一番似合うって・・・・;;」
月人の勢いに一瞬たじろぐ。
「佑介くんの坊主頭反対!そのままがいい。絶対」
子犬のようなひたむきな目つきで月人は必死に佑介に訴える。航は佑介の隣でにやにや笑っていた。

(・・・・たかが坊主にするだけで、なんでこんなに;;)
こうまで言われるとは思わず、ふうと溜息が漏れてしまう佑介だ。

「あ、わたるおにいちゃん。そのかみどうしたの?」
祖母の真穂に佑介たちを呼んできてと頼まれた芙美は、坊主頭になった航を不思議そうに見上げていた。
「芙美ちゃん、いいところに。・・・・あのね、佑介が僕と同じ髪型になったらどうする?」
「おい、航」
「・・・・ゆうちゃんが?」
「そう。僕と同じこれ」
と航はしゃがみこんで芙美に自分の頭を指し示す。
芙美はその特徴的な大きな瞳を見開いて、まじまじと航を見つめる。それから大好きな佑介を見つめ、そして。
「やだ」
きっぱりと言った。
「そっか。芙美ちゃんもそう思うんだ」
にっこりと航は笑うが。
「・・・・ふーちゃんはどんなゆうちゃんもすきだけど、でもそれはやだ」
くりくりとした瞳がうるうると潤みだす。
「ゆうちゃん、やだ」
「芙美ちゃん;;」
芙美は佑介にしがみついた。そんな芙美をあやすように佑介はひょいと抱き上げた。
「やなの」
大きな瞳を潤ませて、なおも芙美は言い募る。
「ゆうちゃんは、だめ」
「・・・わかった、しないよ。だから泣かないで。芙美ちゃん」
苦笑まじりに微笑み、そっと芙美の頭に手を置いてゆっくりと撫でる。
「・・・・ほんとにしない?」
「しないよ。約束するよ」
芙美にはとことん弱くて甘い佑介であった。


「俺が言っても『しない』って言ってくれなかったのに」
芙美の瞳うるうる「やだ」攻撃にはひとたまりもなかった佑介に、月人はぼやく。
「拗ねない、拗ねない」
そんな拗ねていじけている月人に「イイコイイコ」する航。

「俺も、泣き真似すればよかったかも」
「月人~(^^;)・・・・まったく罪な男だね、佑介は(笑)」

すっかり「傍観者」な航だった。




<おまけ>

@腐女子なガールズ剣士たちの会話(爆)

「・・・・やっぱり、月人くんと佑介くんってアヤシクない?」
「アヤシイ、アヤシイ。月人くんのあの表情!もう絶対『恋』してる目だよ」
「ほんと、ほんと」

「航くんと佑介くんもビジュアル的に悪くなかったけど、航くん坊主になっちゃったし~」
「その点、月人くんは多少髪が短くなっただけだから」
「ふたり並ぶと、モーソーが刺激されるな~(爆)」
「やだ、どんなの~」
「そんなの口に出して、言えるわけないでしょ(笑)」

「きゃ~、やだ~////」

・・・・って、どんな妄想してるのキミたち;;


そして。
「・・・・ほんっとに、あのこ大丈夫なのかしらね;;」
息子の行く末が心配な小枝ままのぼやきでした。
2009.05.27 / Top↑
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