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久々のSSの更新は、これまた久しぶりな翠嵐が舞台です。
登場するのは、日夏里と満実。

決戦・・・・クリスマスを目前にして、恋する乙女達はいろいろがんばっているわけで。


つづきをよむからどうぞ。


後期中間試験も終了し、あとは冬休みを待つばかり12月のある日。
日夏里と満実は、年内最後の合同委員会に出席しているこのみと翔子を、いつものカフェテリアで待っていた。
あと一週間もすればクリスマスである。
日夏里は、今年のクリスマスはいつものメンバーだけでなく、七海や都に加えあるきっかけで仲良くなった校外の友人・草壁栞も呼んで一緒にやろうかと考え、それを満実に話しだした。
だが・・・・・。


「・・・・やっぱりやめた方がいいと思うよ」
「なんで?大勢の方が楽しいし、お母さんも賛成してくれたんだけどな」
満実が小さく吐息をつく。
「あたしは構わないんだけどね。でもほら、徳成さんは大事な全日本の前で、来られるかどうかわからないんでしょ?そうなるとまた気まずい思いをしちゃうんじゃないのかな、草壁さん」
「そう思って、筒井さんも呼ぼうかと・・・・」
「う~ん。それでも、やめた方がいいと思う。翔子はまだいいけど、このみ姫は絶対拒否反応示すよ」
「どうしてそんなに嫌がるの?前はそんなんじゃなかったよね」
眉根を寄せている日夏里を満実はどこか困ったような表情で見た。

(それは日夏里が、このみ姫の思っていた以上に草壁さんと親しくなっちゃったからだよ)

そっと思う。

「とってもいいこなんだよ、栞ちゃん」
「それはちゃんとわかってる」
「・・・・?」
「あのね、なんていうのかな。多分このみ姫は彼女みたいなタイプ・・・・って言っちゃうのも失礼だとは思うんだけど、苦手なんだよ」
「え・・・・」
日夏里の大きな瞳が見開いた。満実はちょっと言いづらそうにして。
「その、彼氏に・・・・・土御門さんに依存しているように見えちゃってるんだと思う。このみ姫には」
「!・・・・そんな、栞ちゃんは土御門さんに依存なんてしてないよ。むしろしっかり支えてあげてるのに。・・・・土御門さんはたくさん・・・・」
そこで日夏里は口を噤む。
土御門さん・・・・・土御門佑介の持つ特殊な能力のことは自分と今はここにいない親友との秘密だった。

「あたしは、そうじゃないってちゃんとわかってるから。草壁さん、とっても芯が強そうだもの」
にっこり笑う満実。
「でもね、このみ姫にはそうは映ってないの」
「・・・・」
日夏里を見つめ、ゆっくりとさらに言う。
「それとね。日夏里がつーさんとのことがあったにせよ、すごく仲良くなっちゃったでしょ?だからこのみ姫はさみしいんだよ」
「さみしいってそんな・・・・。このみ姫と栞ちゃんは違うのに」
「それも、あたしはわかってる。・・・・このみ姫はさ、いつまでも日夏里に甘えてて欲しいんだよ。日夏里の“お姉さん”でいたいの」

(実際のところは、このみ姫や翔子の方が日夏里に甘えているんだよね。日夏里は、真っ直ぐでおおらかで強くて。本当に名前の通り、お日さまだから・・・・)

このみや翔子よりは、一歩置いて日夏里との友人関係を作り上げている満実には、日夏里を『こころのオアシス』とまで呼ぶこのみの本当の想いに気付いていた。
このみは、栞に(多分、都も)自分達の友人関係に入ってきて欲しくないのだ。必要以上に仲良くなって、“オアシス”である日夏里をとらないで欲しいのだった。

「満実がそこまで言うのなら、やめておく。いつものように、翔ちゃんちでね」
少し俯いていた顔を上げ、にこっと満実に笑いかけた。
「・・・・別の日に、すればいいんだよ。日夏里の家で」
「うん」
満実も笑みを返した。


「・・・・ところで、イブにはつーさんと会うんだよね?」
「え?・・・・あの、その、うん」
ぽっと赤くなり、何故かしどろもどろになる日夏里。
「そうだよね。クリスマス・イブだもの。あたしだって、春彦くんと約束してるし」
少々、微妙な笑みを浮かべる満実だった。
春彦・・・・雪谷春彦とはネットの天文ファンサイトで知り合い、オフ会を通じて親しくなって、ちょうど一年前の今頃から『恋人同士』として付き合い始めた。
ふたりの付き合いは順調そのものであったが、近頃はちょっと会う回数が減っていた。
それはけして満実が春彦を嫌いになったとかではなく、ある問題をクリア出来ないが故に会いたくなかっただけだった。
とはいえ、いつまでもその問題を先送りにはしたくない思いもあったので、満実はクリスマス・イブに会うことを決意したのだ。
ただ春彦と会う前に、日夏里に相談したいことがあった。
だから次子・・・・・今は「廉」と呼ぶべきかもしれない・・・・・と会うのかと尋ねた。
「廉」は、日夏里の大切な恋人だから。

「・・・・満実、彼氏と何かあったみたいだね」
「!」
満実の表情から、日夏里は確信を得た。ずっと気になってはいたのだ。
「で、このみ姫や翔子には聞かれたくないこと」
こくりと満実はうなづく。
「じゃ、場所替えよ?」
「え・・・・」
「このみ姫と翔子には、ごめんってメール打っておけば大丈夫。・・・・ここだと話しづらいことだと思うし」
そう言って立ち上がる。
「ありがと、日夏里」
満実も席を立った。


恋する乙女達は、いつだって一所懸命なのだ。
2009.12.17 / Top↑
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