10
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
二週間ぶりの更新です(^^;)SSとしてならもっとですわね;;
どうにもここのところ仕上がりが遅くて(--;)

いえ、ちょっとナマイキにもすらんぷ、なんての陥っているようです。
書きたい気持ちはとってもあるんですけどね。もちろんネタも。
ただちょっと文章が上手く降ってこないんですわ。

ま、そんな私事はさておき。
今回のお話は、佑介くん、栞ちゃん、航くん、都ちゃんでの勉強会パート2です(笑)
日常のひとこまですね(^^;)

お師匠であるままさん剣士Kさまからいただいたネタと毬さんとのメッセで出たネタを取り入れてで調理してみました。

ではではつづきをよむからどうぞ。


あ、タイトルはもうテキト~です(爆)
だって思いつかなかったんですもの;;



「・・・・佑介、もう一度中学からやり直す?」
「・・・;;」
航の呆れたような声に佑介は返す言葉がなかった。


昨年の10月頃から、佑介は落ち着かぬ日々を過ごすはめに陥っていた。
それはクラスの女子が勝手に応募した『ジャーノン・スーパーボーイ・コンテスト』のせいだった。携帯サイトでも応募の受付をしているのを利用して、こっそり写真を撮り送っていたのだ。佑介本人のあずかり知らぬところで最初の書類審査を通過し、面接の案内が届いてことの真相を知った。
佑介自身はそもそも目立つことは苦手だし、「芸能界」などにはまったく興味はないので、そのことを面接の際にはっきり告げれば落とされるだろうと思っていた。
・・・・佑介は、面接を「無視」するという発想は持ち合わせていなかったのだ。

ところが、面接の時のその潔さ、清々しさが逆に気に入られてしまったらしい。
ましてや落とすには惜しい「男前」な佑介だ。
読者投票(雑誌と連動している)と携帯会員の投票によるベスト10を待たずに最終選考に残って(残されて)しまったのだった。
そしてやはり律儀な佑介は、最終選考に出場しないという選択はしなかった。

その最終選考。
自分の意に反して出場したというのに、「フォトジェニック賞」と「理想の恋人賞」のダブル受賞を果たしてしまう。
当然多くの芸能プロダクションからスカウトの声があがった。
学校や自宅、そのうえ尚壽館にも関係者がやってきて、なんとも騒がしかったのであった。
さすがに年が明けてからはそのようなマスコミ関係者がうろつくことは少なくなったが、落ち着かぬ日々のツケは学業にきてしまっていた。
もともと得意ではない数学が、下降線気味-------二学期の期末試験とつい先日終了した三学期の中間試験の結果が実に思わしくなかったのだ。この調子では期末試験もまずい結果になりそうだと危惧した佑介は、都内のトップクラスの高校に通う親友の航に教えを請うことにしたのだ。高校二年ですでに数Ⅲをほぼ終わらせている航にとってはなんら負担になるようなことではなかった。
とはいえ・・・・・。


「文系は滅法強いのに、なんで理系・・・・数学となるとこんな壊滅的に出来ないんだか。理解に苦しむよ」
数Ⅰすら危うい佑介に航は大仰に溜息をつく。
「航~;;」
「そんな声だしてもだめだよ。この公式を使えばちゃんと答えはでるんだから」
教科書を指し示し、厳しく言う航だ。
「文系が強くて理系が弱いって、日夏里ちゃんと一緒だね」
座卓を挟んで向かいに座る都がくすくすと笑った。

都・・・・徳成都は私立の翠嵐女子に通う栞の小学校の同級生だ。前回の勉強会にも都は参加していて、今回も栞が声をかけたのだ。
そんな都はフィギュアスケート女子シングルのジュニアの特別強化選手に指定されているほどの実力者で、来月の初めにオランダ・ハーグで開催される世界ジュニア選手権の代表に選ばれていた。そして、ちょうどその世界ジュニアの日程が翠嵐の期末試験とぶつかってしまっており、来週に前倒しで試験を受けることになっている都にとって、渡りに船であったのだ。

「・・・・橘さんと?」
「そ。日夏里ちゃんも古文や世界史とか文系なら百点を取るくらい得意なんだけど、数学はその半分がやっとなの。それでも晴田さんが教えてくれてたからだいぶ上向きにはなっていたようだけど、彼女転校しちゃったから」
「・・・・・」
都は晴田・・・・・晴田次子が転校してしまった真の理由は知らない。もちろんそれは佑介とて同じなのだが、薄々察してはいた。
「晴田さんって、七海の先輩だった子だよね」
航がふと何かを思い出すかのように呟いた。
「彼女さ、もしかしてフルネームは『晴田次子』っていうんじゃないかな」
「あ、そうだよ。だから日夏里ちゃんたちは“つーさん”って呼んでたしね」
都が答える。
「・・・・晴田さんがどうかしたのか」
航の恋人七海の尊敬する先輩だったとはいえ、航の方から次子の話題を振ってくるのは意外で、つい慎重な口ぶりになってしまう佑介だ。
「いや、全国模試でよく名前を見かけてたんだよ。実は。僕と同じ上位の方でね」
「晴田さんはいつもほぼオール満点の学年トップだったし、それは入学してからずっとで。だから中の上くらいのランクのウチ(翠嵐)じゃもったいないくらいだったんだよね」
「へえ。じゃあ大学はもしかして僕と同じ東大狙いだったりして」
航の第一志望は、東大法学部だ。
大橋高校や百葉高校と並び都内高校の『御三家』である桜谷高校に通う航。この高校では東大や一ツ橋大を受験することはもはや「普通」であった。
「可能性はあるかも。ご両親がお医者さんだしね」
それはないだろうと佑介は思う。
彼女に、いや『彼』に医者は向いていないし、きっと写真への思いは捨てていない筈だ。
自分をこれからも撮ってみたいと告げたときの真剣な表情は、けして部活や趣味だけでやっているのではないと物語っていたからだ。

「そろそろ休憩にしない?・・・・コーヒーが入ったんだけど」
襖がからりと開いて、栞が顔を出した。
「栞」
「栞ちゃん」
一斉にそちらの方に顔を向ける。
「あ、あたし運ぶの手伝うよ」
「大丈夫だから。都ちゃん座ってて」
「いーの、いーの。ついでにちょっと家に電話もしたいから」
と、トートバックから携帯を取り出し立ち上がった。
「じゃあお願いしようかな。焼いておいたマドレーヌも出したいし・・・・」
にこっと笑う栞。
「栞ちゃんのお手製マドレーヌが食べられるなんてラッキー♪」
都も笑顔を返し、ふたりは台所に向かった。


栞と都のかろやかな笑い声の混じる会話が少しずつ遠ざかって。
「・・・・そういや先月東大に試合しに行ったんだろ?どうだった」
航から教えてもらった公式と悪戦苦闘しつつ、佑介は尋ねる。
「どうだったって、結果から言えば決勝トーナメントの1回戦で負けちゃったけどね」
軽く肩をすくめる航。
佑介は瞳を見開いて。
「航がか?」
「あ、個人戦じゃないからさ。団体戦なんだよ、高校別の。・・・・個人戦なら、絶対負けないよ」
「それはわかってるよ」
にこっと笑ってさらりと告げる佑介に、航も笑う。

先月末、航の通う桜谷高校剣道部の面々は東大剣道部が毎年開催している試合に招待された。
東大としては伝統ある剣道部に部員は欲しいが、どこの高校でも東大に入れるわけではない。それゆえに、東大に入れるレベルを持つ首都圏の進学校の高校1、2年生男子を対象に招待して、高校生同士の試合(5人戦団体戦)と部員との稽古会を行う行事を開催しているのだ。

「東大なんて、俺には一生縁のないところだな」
隣に座る航を見てしみじみと呟いてしまう。
「そうだね。佑介にはね」
「・・・・それは事実だけど、そうやって言われるとなんかいい気分しないぞ」
「そんな科白は、今やってる問題をとっととクリアしてから言いなよね」
「う;;」
にっと悪戯な表情を見せる航に、佑介は言葉を詰まらせた。


結局のところ、悪戦苦闘していた問題を佑介は解くことが出来ず、
「解答を待っていたら日が暮れそうだよ」
と航にぼやかれて、栞と都が戻ってきたこともあり、休憩と相成った。

佑介と航はコーヒーをブラックで、栞と都はミルクたっぷりのカフェ・オレを飲みながら、栞の作ったマドレーヌ----甘いものが苦手な佑介も食べられるように甘さ控えめ----をつまんでいる。

「・・・・航はいつから眼鏡かけてるんだ?」
コーヒーを飲む航の横顔を見て、ふとわいた疑問だった。
尚壽館では眼鏡をかけている姿は見たことがない。それゆえ前回の勉強会の時に眼鏡をかけている航を見て、佑介はいささか驚いたのだった。
「ん?・・・・中学3年の冬くらいかな。がたっと視力が落ちたんだよね」
ぱくりと3個目のマドレーヌを口に放りこむ。
「なんで?」
「いや、ちょっと驚いたのもあって。それと稽古の時にかけてなくて大丈夫なのかとね」
「全然見えないわけじゃないから。一応剣道用の眼鏡も持っているけど、どうにもしっくりこなくてさ」

「剣道用の眼鏡なんてあるの?」
航と佑介の会話を耳にし、都は隣に座る栞に尋ねる。
「うん。稽古中や試合でずれたりしないしっかりした専用のがあるの。・・・・お父さんは使ってる」
「あ、そか。栞ちゃんのお父さん、眼鏡かけてるものね」
と、都は温厚な栞の父・直哉を思い浮かべた。
「そういえば、絋次さんも眼鏡かけてたな」
ふっと佑介は思い出し、ぽつりと言う。
「絋次さんって、咲子さんの旦那さんだよね?セクスィ~な男前の(笑)」
セクスィ~を強調しておどけて言う航だ。そんな航に佑介は苦笑する。栞も苦笑いを浮かべていた。
「あはは。そんな感じだよね。大人の男性の色気漂うというかフェロモン出まくりというか」
前回の勉強会の休憩中に、この面々の目の前で堂々と妻である咲子にキスをした絋次だ。
「挨拶」という名の。
「都ちゃんまで;;・・・・・って、お義兄さん、眼鏡かけてないよ?」
「たまたま見かけたんだよ。仕事でパソコン使っていた時にかけてて。普段は必要ないって言ってたけどね」
栞の疑問を、佑介は解く。
絋次に尋ねたい事があって、その絋次が草壁家に来ていた時に本当に偶然から見たのだ。絋次は咲子が嫁ぐまで使っていた部屋で持ち帰り仕事をしていた時だった。
「ちょっと見てみたいかも、栞ちゃんのお義兄さんの眼鏡姿。すっごく似合いそうだもの」
「そうだね」
都と栞は顔を見合わせて、笑った。
「・・・・僕は佑介の眼鏡姿を見てみたいけどね」
「え、俺?なんでまた」
「見たことないから」
にっと笑って即答する航に、佑介はがくっとうなだれた。
「わーたーるー;;」
「僕の眼鏡貸してあげるよ。ちょっとかけてみて」
そんな佑介の様子などまったく気にも留めずに、航は眼鏡をはずす。
「なに言ってるんだよ。いいよ」
と遠慮するが。
「せっかくだから、かけてみたら?・・・・栞ちゃんも見たいよね」
都がにっこりと笑って栞に言えば、栞はちらっと佑介を見てこくりとうなづいた。
「栞まで」
もはや逃れられないのは自明の理だった。

「・・・・これ、結構度がきついな」
佑介&航
おそるおそる航の眼鏡を受け取り、かけてみる。
「佑介、視力もいいからねえ。僕くらいのでもくらっときちゃうんだ」
「視力もってなんだよ、それ;;」
言いながら眼鏡に添えていた手をはずし、栞らの方に向いた。
「へ~え。似合うね、土御門くん」
「雰囲気変わるね、佑くん」
「そうか?;;」
そうは言われても自分ではわからない。
「似合ってるよ。・・・・ま、男前はなんでも似合うからなあ」
「・・・・・;;」
しみじみと言う航にどうコメントすべきか。苦笑いしか浮ばない。

「土御門くん、顔をあげて」
都に言われそうすれば、カシャっというシャッター音。
「徳成さん?;;」
「あは、撮っちゃった」
佑介に向かって携帯をかざしている都はぺろっと舌を出した。
「撮っちゃったって・・・・」
「だって、滅多に見られない姿だし」
「都ちゃんてば」
栞の苦笑いをよそにまったく悪びれない都は、視線を佑介から携帯に落とし、なにやら打ち始めた。
そして・・・・。
「・・・・・と、よし送信!どんな反応が返ってくるかな♪」
「え?;;」
送信とはいったい・・・・。
「あ、相手は日夏里ちゃんだから大丈夫だよ。コンテストとかの類じゃないからね」
都も佑介がどうしてかのコンテストに出る羽目になったのか、その顛末は栞から聞いていた。
「そういう問題じゃ;;」
佑介は困惑顔で都を見つめ、そんな佑介を航は面白そうににやにやと笑って見ていた。


しばらく返信を待ってみたが来る様子がなく、栞のお手製マドレーヌも食べ終わっていたので勉強会は再開となった。
休憩前に格闘していた問題はなんとか解くことが出来た佑介であったが、その後の進捗度ははかばかしくなくて。しっかりと航に『宿題』を出されてしまった。

果たして日夏里からの返事はどのようなものであったのやら。

2010.02.08 Mon l 短編小説 l コメント (0) トラックバック (0) l top

コメント

 

コメントの投稿












 

トラックバック

トラックバック URL
http://mizuhohagiri.blog35.fc2.com/tb.php/219-a85a76a0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)