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桐梧17歳なお話、続いちゃいました(笑)
きっかけは毬さんとのメッセ(爆)

日夏里の話の続きや航くんのお話をちゃんと完結させるとか、いろいろほったらかしてるのがあるんですが(その最たるものもあったり~ですが;;)、書けちゃったからねえ>おい;;

本来の「IF」シリーズよりぷらす9年後なお話、ではではどうぞ。


・・・・・・ちょっと、いやかなり桐梧が情けないです(爆)



放課後の部活が終わった。

ありがたいことに、俺の通う朱雀高校は偏差値もそこそこいいのだが、スポーツも強いので公立高校のわりに施設がかなり充実していた。普通、男女別で50人近くの人数を収納できるシャワー室が完備されていることはおよそないだろうと思うぜ。おかげで部活後助かっている。

・・・・どんなに気をつけててもさ、高校生のオトコともなると、汗かきゃクサイんだよ。TVのブラウン管の向こうのアイドルたちだって同じだからな、言っとくけど。
でも食生活を気をつけて、毎日しっかり風呂に入ってりゃ、なんでもない時にまでクサかったりはしない。
だから、ほんと。シャワー浴びて帰られるのは有難いんだ。

弓道なら立って矢を射るだけだし、汗なんてそんなにかかないだろうって思っているヤツも多いけど、けしてそんなことないからな。
背筋力や胸筋それに上腕の筋力がしっかりついてないと弓を引けないし、矢を的まで届かせられない。
準備運動でストレッチはもちろん、腕立て伏せ100回は基本だ。出来るなら片手でも左右100回やれって言われてる;;
で、その後は腕だけで棒登りまでさせられるんだぜ。
初心者は相当大変だと思う。小学生から習っている俺だってきついとは思うからさ。
それに上半身だけ力があってもだめなんだ。
腰もしっかりしてないと弓道の基本である「射法八節」がきちんと出来ないし。
見た目より、ぜんっぜんハードなんだからな。

あ~しかし、ハラへった。家まで持ちそうもねえや;;
なにか腹ごなしをとは思うが、朝コンビニでおにぎり買っちまったし、学校ででも部活の前に菓子パン買ったから財布の中身は乏しいんだよな。

・・・・・・。
・・・・・・。

いいや、佑おじさんちに行こ。
帰り道だし。そろそろ夕飯の時間の筈だし。

ということで、俺は地下鉄の駅には向かわず、土御門家を目指すことにした。
ま、学校から10分くらいなんだよ、佑おじさんち。


「ただいま」
「あ!桐梧くんだ。お帰り♪」
土御門家は自分の家ではないけれど、気持ち的には「お邪魔します」ではないのだ。
おやじと衝突すると家出してこっちに来てたし、夏休みなんかは草壁の家と交互に泊まってた。
弟分の従弟の幸祐も当たり前のようにお帰りって言ってくれるたりするわけで。
でも。
「『ただいま』じゃないだろ、桐梧は」
幸祐の隣に、今日は早い帰りの佑おじさんも立っていた。
佑おじさんはきっちり線引きをするんだよな。どんなに俺が父親のように慕っても、叔父の枠はけして越えない。
だけど、怒って言っているわけじゃないのはわかる。仕方ないな、という表情。
だから甘えてしまうんだ、俺は。おやじに出来ない分をさ。

ついつい無言で靴を脱いで上がる俺を佑おじさんはじっと見る。
佑おじさんの、優しいけれどこころの奥を見透かすような瞳とぶつかった。
「ちゃんと家に電話しろよ。咲子さん、ご飯作って待ってるぞ」
「家のも帰ったら食べるからいいよ。・・・・おふくろだってわかってるし」
どこか拗ねた口調になる俺。佑おじさんは苦笑いを浮かべて。
「仕方ないな。・・・・・ご飯食べたら早めに帰るんだぞ」
くしゃっと俺の頭を撫でた。
昔からの仕草で、芙美ねえもよくされたって言ってた。
----俺はこくりとしずかにうなづいた。


今日の土御門家の夕食は生姜焼き定食。付け合せがきゅうりとわかめの酢の物で、大根と油揚げの味噌汁。
かつおだしが効いてて、うまいんだよな、梅乃おばあちゃんの味噌汁。

あ。梅乃おばあちゃんは佑おじさんのおばあちゃんにあたる。だから血は繋がってないけど、本来は「曾祖母」になるのかな。
でもやち代ばーちゃんだって「曾祖母」だけど「ひーばーちゃん」とは呼んでないしね。
みんな若々しいからさ。
草壁の真穂ばあなんて、とても67歳になんて見えねえもんな。50代前半で通るよ、絶対。

「・・・・桐梧くん。今度の土曜日剣道の試合があるんだけど、見に来て欲しいな」
「土曜日?」
味噌汁のお椀を置いて、幸祐を見る。
「うん。大丈夫?」
「多分、大丈夫だぜ」
土曜日は部活があるけど、俺が主将なんだから休みにするか、半日稽古にすればいいことだ。
「やった♪僕、大将なんだよ。絶対勝つからね」
すごく嬉しそうににこっと笑う幸祐。笑顔でオンナノコを陥落出来るかもしれない。
つか、おまえ気持ちも優しいし、学校ですごくモテるだろ?
あ~、佑おじさんの子だもんな。当然か。


食事が終わると、幸祐やふたごの晶と零はお風呂に入るからと居間からいなくなり、栞おばさんをはじめ女性軍は片付けに台所に。
残った俺と佑おじさんは日本茶を飲んでいたんだけど。

「・・・・ところ今日は何があったんだ、桐梧」
そう聞いて来る佑おじさん。大抵俺がこっちに来るときは、おやじと何かあった日だからだ。
「・・・・・」
なんとなく答えたくない、俺。いつもなら素直に口を開いちゃうんだけどさ。
・・・・・別に何かがあったわけじゃなくて。ウチではすごく『日常的』なこと。だけどなんだかおふくろの顔を見たくなかった。
そう、空腹を理由にして、家に帰るのを遅らせたかったにすぎない。

黙り込む俺を静かに見つめ。
「ま、言いたくなかったらそれでも構わないが、お母さんを泣かすようなことだけはするなよ」
「・・・・・それは絶対ないから」
わかってるよ、というような笑みを佑おじさんは浮かべた。
厳しさも含んだ、でも優しい包み込むような笑顔。
-----おやじからこんな風な笑顔、めったに向けられたことないよな。


・・・・俺だってさ、わかってはいるんだ。
年齢を感じさせない光り輝くようなおふくろの笑顔は、おやじからの愛情をたくさん受けているからこそのものだ。

でもさ、今朝はひどくまぶしく感じてしまって。
おやじはおやじでこれ見よがしに、するしさ。(ほんっと、大人げないよ)

だいたい俺が『恋愛』というものが出来ないのも、おふくろが基準になってしまっているからだ。
おふくろはきれいなだけじゃない。
明るくてからっとしてて、料理も上手く愛情深くて。
とにかく『イイオンナ』なんだよ;;
おふくろと較べちゃうと、どんなに気立てが良くて可愛い子でも色あせて見えちゃうから困るんだ。

あ、言われなくても、自覚してますから。・・・・・・・『マザコン』ってさ。


しばらく黙って茶をすすっていると、ぱたぱたと廊下を走る音が聴こえた。
晶や零が風呂からでたのかな~、なんて思っていたら。

「桐梧」
がらりとあいた襖の向こうに立っていたのは、なんとおふくろだったのだ。
なんでおふくろがここに?・・・・って、妹の嫁ぎ先なんだから別に来たっておかしかないけど。
そんなことを考えている俺に歩み寄ってきたかと思うと。
「うわっ;;」
座っている俺をぐいっと引き寄せて、ぎゅうっと抱きしめたのだ。
「もう、なに拗ねているの?」
「す、拗ねてなんか・・・・・」
いいかける俺をさらに抱え込む。
その、あの。-----お、おふくろの胸が;;
が、抵抗してもおふくろは腕の力を緩めない。
「じゃあ、どうして真っ直ぐ帰ってこないの。・・・・朝ご飯をちゃんと食べさせてあげられなかったから、桐梧の大好きなおかず、たくさん作って待っていたのに」
「大丈夫ですよ、咲子さん。桐梧はちゃんとそれらも食べますから」
どことなく笑いの混じった佑おじさんの声。
「そうね。セーブして食べてたものね、桐梧くん」
栞おばさんの声もなんだか楽しげだ。

わずかな間があって、おふくろは、抱え込んでいた腕を緩めた。
「そうなの?」
確認を取るかのように聞いてくる。俺はこくりとうなづいた。
おふくろの作ったご飯を食べないという選択肢は、俺にはそもそもはじめからなかったし。

・・・・って、おふくろ~;;
にーっこりと満面の笑みを浮かべて(不覚にも、かわいいと思ってしまった;;)、おふくろはまた俺を抱きしめる。
勘弁してくれよ~;;


・・・・・俺、まっとうな道を歩めるんだろうか;;
自信が持てない。
2010.07.31 / Top↑
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