前回アップより少々間が空きました。


・・・・ええと、5月以来のお久しぶりな「あだると」です(爆)

ワタクシとしては一応「和製ろまんす」を目指しているのですが、どうにも今回は「ろまんす」っつーより、「ろまん○○○」・・・・げふんげふん;;

お笑いネタとしては結構そっちな話も書いてましたが、がっつり「あだると」(おい;;)な話はあまりに久々だったので、どうにもこうにも勝手がわからず(忘れてたとうもいう)書き直しを繰り返していたらこんなんに(大爆)


と、いうわけで。
お読みになられてからの苦情等は受け付けませんゆえ、大丈夫な方のみつづきをよむからどうぞ(^^;)



(やっぱり営業の俺には、まったくの畑違いだったじゃないか・・・・)

配布された資料を鞄にしまいながら、絋次は小さく溜息をついた。

週明けの月曜日に、出勤早々にっこり笑顔で上司の都竹から話を振られたセミナーが、つい先ほど終了した。
本来出席する予定だった経理部の人間が、身内に不幸があって出られなくなってしまい、何故か営業職の絋次にお鉢が回ってきた。
それというのも、先週末に都竹が同期の経理部長と飲みに行った際、「うちのを行かせるから」とぺろっと言ってしまったがゆえだ。
今はそれほど仕事も立て込んでいないし、出張さえなければ比較的時間に自由が利くのが営業職。
ゆえに午前中にセミナーへ出席することはそれほど大変ではないのだが、せめて内容が自分の仕事に即しているものであって欲しかった。
財務セミナーなんて、海外営業の自分にはおよそ縁がない。
ただ「学ぶ」ことは嫌いではないし、今日の講師はなかなか話し上手だったこともあって、3時間近くのセミナーも厭きることなく面白く聴けたのだった。

腕時計を見れば、時間は正午を回っていた。
この後の予定は3時半に約束している1社があるが、その取引先以外はフリーで顔を出せばいいだけだ。
社に戻って、食堂で昼食をとるじゅうぶんな時間があった。
もちろん駅のホームの立ち食い蕎麦でも、まったく構わない絋次だ。

とりあえずはセミナーの会場となったホテルを出、駅へと向かいつつ携帯の電源を入れた。
さっそく届いたメール数通。
上司の都竹をはじめ、社からであろうと思い、あえてゆるゆると受信ボックスを開く。
やはり思っていた通りだったが、うち一通は違っていた。


『慣れないセミナー、おつかれさま。
お昼ごはんはどうするの?

草壁の家のほうに来ているので、一緒にお昼を・・・・と思ったんだけど。
そんな時間は取れないかしら。

来られるようなら、連絡ください。』



妻の咲子から送られたメールだ。
昨夜、明日は午前中セミナーがあるから、いつもより出勤が遅くなると伝えていた。
場所が咲子の実家の草壁家の近くで、大門駅の増上寺に近い方の出口から歩いて5分とかからないホテルの会議室なんだとも。
咲子は笑って、「明日はあちらに行く用事ないのよね」と言っていたのだが・・・・。

愛する妻からの誘いを断る絋次ではない。
一言、「これから、向かう」とだけ打ち、返信した。



草壁家のある芝のあたりは、JR線と交差するように幹線道路が走っており、その通り沿いにオフィス・ビルがいくつも立ち並んでいた。
だがひとつ通りを中に入れば、まだまだ昔ながらの古い町並が残っていて、落ち着いた佇まいの住宅が顔を見せる。草壁家はそのなかでもひときわ目立っていた。
なにより敷地が広い。
平屋作りの日本家屋に、剣道場が併設されている広さなのだ。四季折々に楽しませてくれる様々な木や花が植えられている庭もある。
喧騒激しい東京の中心地とは思えない静寂が、ここにはあった。

高校生の頃。自分の想いを自覚しながらもそれを素直に咲子に伝えられなくて、でも少しでも咲子に会いたくて。
同じ道場に通っていることや部活も同じであったことにかこつけ、その他にもなにかといろいろ理由を作っては、たびたびこちらに訪れた。
そんな絋次の悪足掻きは、義母の真穂にはすっかり見抜かれていたのだけれど・・・・・。


玄関まで自分を出迎えにきた咲子の姿に、絋次はまた過去へとらわれそうになった。

(その着物は・・・・)

老舗の呉服屋が実家で、制服くらいでしかおよそ「洋服」に袖を通したことがない真穂に育てられ、幼い頃から着物に親しんでいた咲子は、普段からよく着物を着ている。
それゆえ絋次にとって咲子の着物姿はめずらしくないのだが、今日の咲子は朽葉色に秋草模様を染め上げた木綿の着物を着ていたのだ。
それは、絋次と咲子のふたりが初めて愛を交わした日に咲子が着ていたものだった。
その後咲子がこの着物を着ている姿を、絋次は目にする機会はなく日々は過ぎ、今日に至った。

(まずいな)

『スイッチ』が入ってしまいそうな自分に、苦笑いを浮べた。


「会社には何時までに戻ればいいの?」
いつもみなで食事をする居間に絋次を案内し、絋次が脱いだ上着を受け取って、咲子はハンガーにかけた。
「遅くとも2時半過ぎに戻れれば大丈夫だろう。今日は3時半に1社約束しているだけだからな」
「よかった。じゃあ、ゆっくり食べられるのね。いつも忙しないお昼みたいだから、たまにはそういう日もないと」
にこりと咲子は笑う。
自分を気遣う、そんな妻の笑顔にも煽られてしまいそうだ。
「そう、だな。・・・・ところでお義祖父さんやお義母さんは・・・・・」
ふたりきりじゃなければ、まだ抑えが効くだろうと思う。
だが。
「じじさまは由利ばばさまの実家に行ってるわ」
咲子の祖母に当たる由利は30年前に病で亡くなっていたが、綱寛は毎年一度は、山口県にある由利の実家を訪れていた。
「---お母さんは先に芙美とお昼を食べて出かけちゃったの」
一緒に食べるつもりだったのよ、と咲子は苦笑している。
真穂は絋次が来るとわかって、あえて芙美を連れ出したのだろう。
いつもの咲子へ対する絋次の態度を考えれば、真穂がそうしたのもわからなくはないのだが、そこまで気をまわさないでほしかった。
-----もう、だめだ。
「・・・・となると、俺とおまえしかこの家にはいないんだな?」
「そうだけど・・・・。え、こーさん?!」
絋次は、台所へ向かおうとする咲子の手を取り己に引き寄せた。
「ね、お昼食べないと・・・・」
「昼はあとでいい。・・・・いますぐ、おまえを抱きたい」
情熱のこもった声音。
絋次の腕の中に抱きしめられ、からだの熱も伝わってくる。
「ば、ばか。なに言ってるの・・・・」
咲子は頬を赤く染めながら反論するが。
「抱きたいんだ」
返事は待たず、絋次は咲子の艶やかな桜色の唇にくちづけた。
それは深いキスではなく、吐息が交じりあうだけのかろやかなもの。そっとやさしくふれては離し、ついばむように、味わう。
絋次は、やわらかくて甘いキスを咲子にあびせ、翻弄した。

「こー、さんたら・・・・。ね、だめよ・・・」
頭の芯が蕩けそうでそのまま流されてしまいそうなキスをされ、咲子はくらくらしている。それでも必死に絋次を押し戻そうとした。
「おまえがわるい」
自分を見つめる潤んだ瞳、キスによってふっくらとしたつややかな唇が、絋次の『スイッチ』を完全に入れてしまった。
「・・・・・その着物を着ているおまえが、俺に火をつけた・・・・・」
「そんな・・・・んっ・・・・・」
絋次は開いた唇にすかさず舌を侵入させ、からめとった。
さきほどとは違う、息をつかせぬほどの激しいキスだ。
深く貪り、丹念に口内を侵す。

「・・ん・・ん・・・・」
キスやめることなく絋次は、しずかに咲子を抱えながらその場に座った。
少し乱れた着物の裾を割りひらき、咲子のしなやかな二本の脚をさらした。肌理細やかな白い肌が、艶かしい。
絋次の大きく骨ばったそれでいて男らしい手で、ゆるりとそのなめらかな脚を下から撫で上げていく。内腿をたどりつけ根の辺りを彷徨って、撫で下ろした。
何度かそれを繰り返し、するりと指を秘めやかな場所へ侵入させた。
やわらかな茂みは湿り気を帯び、その奥の敏感な部分に触れれば、すでにそこはしっとりと濡れていた。
「・・・・だめじゃないじゃないか。もう、こんなに・・・・」
絋次はわずかに唇を離し、ささやいた。
「ほら・・・」
蜜で濡れているのをわからせるかようにわざと音を立て、指で嬲りはじめた。咲子は小さくかぶりをふって絋次のワイシャツを強く握った。

絋次の手や指は咲子を陥落させていく。
熱く膨らむ襞をひらき、蜜で潤う泉を差し入れた二本の指でかきまわし、親指で花芽をやさしくつつく。
「・・・んっ・・・・」
押し寄せてくる官能の波に、咲子のからだは震えた。

絋次はゆっくりと指を引き抜いて、嫣然と微笑みそれを舐めた。
くたりとしている咲子のからだをささえ、まろやかな尻の方へ手を滑らせて、すっと邪魔な下着を脱がせた。そして、自身のスラックスのベルトとカギホックをはずしてファスナーをおろし、すでに硬く張り詰めたものを露にした。
「ここを・・・・満たして欲しいか?」
咲子を跨らせ、豊潤な蜜を滴らせている泉へ熱い塊をあてがい、問う。
欲望のけぶる瞳でじっと見つめられるが、咲子は答えられない。
「言わなきゃ、このままだ」
入れず、先をぬるりとこすりつける。
「・・・やっ・・・」
咲子は瞳を伏せ絋次の視線を遮断する。
絋次によってあちこちに火をつけられたからだの火照りは、絋次のすべてで満たさなければ鎮まらないと咲子はわかっている。
からだだけでなくこころも。
咲子は絋次の肩にかけていた手をそろりと首にまわし、耳元へ唇を近づけささやいた。
「・・・れ、て・・・・」
咲子の精一杯の懇願に絋次は満足げな笑みを浮かべ、ゆっくりと咲子を満たしていった。

「・・・・んっ・・・・あ・・あ・・・・」
室内に抱き合う男女が作り出す、淫らで濡れた音が響き、甘く切ない吐息が漏れる。
絋次はもっと深く繋がらんと咲子の右脚を肩に担ぎ、抽送を繰り返した。
「や・・・・。そんな・・・・」
咲子のあえかな反応に煽られて、絋次の動きはさらに激しくなる。
「・・・もっと、もっとだ・・・・」
貪るようにくちづけて、口内を蹂躙する。
右の手も左の手も、休むことなく咲子のからだを彷徨い、官能を引き出していく。
絋次は己のからだすべてで、咲子を満たし奪いとる。

「・・・っ・・。・・だ・・・め・・・・」
絋次によってもたらされる熱の凄まじさに、咲子は意識を手ばなした。


「・・・・ん・・・・」
絋次の腕の中の咲子が身じろぎをした。
「咲子」
自分の名を呼ぶ声に、うつつから戻されゆっくりと瞳を開くと、なんともいえない表情を浮べている絋次と目が合った。
「・・・・わたし・・・・」
絋次は咲子が覚醒するまで、ずっと瞳の閉じられた顔を見つめていた。
「その、大丈夫か」
気遣う声。
「・・・・?大丈夫よ」
あふれでる歓喜に気を失っだけで、咲子のからだはすみずみまでじゅうぶんに満たされていた。だから、何故?と絋次に問う。
絋次はやんわりとした咲子のからだをぎゅっと抱きしめ。
「今日の俺は、まったく抑えが利かなかった。・・・だからおまえがつらかったんじゃないかとな」
つややかでしっとりとした髪にくちづけた。

規則正しい心臓の音が聴こえる。
咲子は、絋次のしなやかであるのに硬い鋼のような胸に頭をあずけていたが、名残惜しげに、ゆっくりと起き上がった。
絋次を見つめ。
「こーさん。わたし、言ったはずよ」
「・・・・なにをだ」
「そんなに、やわじゃないって。・・・・あなたになら、なにをされてもかまわないからって」
絋次は瞳を見開く。
「忘れちゃったの?」
薄紅色に頬を染めながら、咲子は微笑んだ。


-----今日着ていたあの着物姿で、咲子は決然と言ったのだ。

「・・・・わたし、そんなやわじゃない。・・・・・・何があっても、何をされてもいい。星野くんとなら」

絋次は何も言えず、ただ咲子の想いを受け止め、抱いた。


「・・・・忘れてないさ」
絋次も起き上がり、咲子を抱き寄せ。
「愛しているよ」
「・・・・私も」
視線が絡まり、唇をそっと触れ合わす。


「お昼食べないとね」
「そうだな」
互いを見つめ、くすりと笑った。
2010.10.26 / Top↑
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