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Cafe Chocolat Holic

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凛々と・1

  1. 2008/07/11(金) 18:02:07_
  2. 凛々と(全5話)
  3. _ tb:0
  4. _ comment:0
ちょこちょこと予告していた、佑介くんと直哉ぱぱの手合わせの話です。
長くなりそうなので、連載形式で行きます。

初回は導入部。
次回は剣道場面です。
お師匠であるKさんからいろいろとご指導いただきましたが、果たして上手く書けるのかどうか。

が、がんばります。
次回更新は多分来週。

つづきをよむからどうぞ。


 



区民大会も無事終わり、佑介はまた以前の通りの土日の稽古に戻った。

その区民大会は、初出場ながら見事に優勝を飾った。
決勝戦では、相手選手ともどもなかなか一本が取れず、佑介は「負けてもともと」と前へ攻めていったのが効を奏したのかきれいな「面」を決め、勝者となったのだ。
とはいえ佑介は、表彰され賞状や楯をもらい、母の小都子を始め栞や咲子応援に駆けつけてくれた弓道部の梁河や衣里那、東都学院の高野龍などみんなから祝福されても、自分が優勝したことを実感できずにいた。

決勝でのあの「面」。
防御することなど考えずに、自分を捨てきったからこそ打てたものだった。
打たれてもともとと考え、真っ向勝負で、攻めと同時に思い切って間合いに入った素直にまっすぐな正面打ちを。
だから余計に実感がわかないのかもしれなかった。
あとで真穂や直哉そして綱寛にまで「あの面は良かった」といわれたが、自分ではどんな面を打ったのか正直覚えていない。
またそれが出来るかといえば、それもわからない。
ただ言えることは、この区民大会は通過点に過ぎないのだ。
まだまだ目指す先は遠いのだから。


「佑介くん。休憩がすんだら、ひとつ僕と手合わせをしないかい?」
「おじさん!…あ、直哉先生」
こども剣道教室でのちびっこたち相手の稽古が済み、この後の自分の稽古のためにしばし休息を取っていた佑介。
今日はめづらしく直哉も稽古の手伝いに出ていた。
大学三年のときにアキレス腱断裂の怪我をし競技剣道から退いた直哉は、結婚をしてから現在まで信頼をもって道場を妻の真穂に任せており、普段は会社勤めをしている。
週末に仕事が入らなければ、こども剣道教室(中学生まで)やその後の夜の部の稽古に来る高校生や大人の稽古をつけていた。
高校、大学とその名を馳せ実力も十分な直哉であったが、もともとあまり勝負に拘らない性格ゆえ、怪我をして激しい競技剣道を続けられなくなった時も、これからの自分のからだの状態で出来ることを精一杯すればいいとしか思わなかったのだ。
リハビリをきちんとして十分にケアをすれば第一線で活躍出来なくもなかったのに、と父親の綱寛はずいぶんとやきもきしたものだ。

「おじさんでかまわないよ。僕はほとんど君に稽古つけてないんだから」
そう言って直哉は笑う。笑うと優しげな面輪さらに優しくなる。温厚な性格がそのまま現れていた。
「いえ、そんな。…こちらこそよろしくお願いいたします」
佑介はぺこりと頭を下げる。
直哉の現在の段位は五段だ。本来なら佑介がお願いして胸を借りる立場なのだ。
「そんな、かしこまらなくていいよ。・・・・・区民大会の戦いっぷりを見てたらね、ちょっと刺激されてねえ」
「え・・・・?」
「まあ、大丈夫そうなら始めようか」
「はい」
佑介は極まれに直哉に稽古をつけてもらうことはあったが、直哉自身が佑介の師匠は真穂だと思っているので、佑介に対しあれこれと言う事は一切なかった。
自分の戦いぶりの何が直哉の琴線に触れたのだろうか。
・・・・とりあえず今は、五段の直哉に自分がどこまで喰らいついていけるかやってみよう。
そう思い、手ぬぐいを頭に巻き、はずしていた面をつけはじめた。

「ゆうにいちゃん、なおやせんせいとおけいこするみたいだよ」
「ばか。けいこじゃなくて‘てあわせ‘!」
「え?しあいすんの?どっちがかつのかなあ」
「ゆうにいちゃんだよ」
「なおやせんせいはごだんだよ」
「そっか~」
稽古が終了したちびっこたちがかまびすしい。
大好きな『ゆうにいちゃん』と直哉との手合わせが始まるのを聞きつけて、ぞろぞろと道場に戻ってきたようだ。
みな、興味津々である。

「・・・・周りがにぎやかだね。みんな佑介くんの試合振りが気になるのかな?」
直哉も面をつけながら周りの様子を見回す。
くだんの区民大会にもちびっこたちがたくさん応援に来ていたのだ。
「そんなことないですよ」
「じゃあ、負けるわけにはいかないね」
直哉はすっと目を細めた。
(・・・・おじ、さん・・・?)
佑介は、もとより自分が勝てるとは思っていない。実力も経験値も違いすぎる。
だが今の直哉の目にははっきりと戦いに向かう剣士の炎が宿っていた。
「・・・・俺も全力でぶつかります」
直哉はにこりと笑った。
テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学

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