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4話目です。
これだけの人数が揃うと、動かすのが大変ですわ(^^;)
今後一堂に会させるのはやめようっと(爆)

なんだか今回の「凛々と」は、あえて自分の首を絞めるようなことをして書いている感じがします(笑)
・・・・ま、チャレンジすることは悪くないんですけどね。
でも自分の文章能力の無さを痛感するだけのような(涙)

そうそう。
この回で話題に出た、「咲子の初恋」が某R18な話のもとでございます(爆)
ええ、真面目な剣道の手合わせがあったりする今回の「凛々と」なのに、どうしてああ、つながるんでしょうかねえ(^^;)
ワタクシが書きたかっただけです(大爆)
ま、そちらは早めに書いちゃったんで、ちょっとつじつまが合わなかったりする部分もありますが、その辺はご容赦を。

で、次回でこの「凛々と」ラストです。
が、今までと違い、全く一行も書けてません(爆)
どーなるんでしょうか?!

7月中には終らせたいと思ってます。



ひとしきり笑いあい、佑介と栞のふたりが居間へ入った。もうみんな揃っていた。
芙美は佑介の姿を見ると、「ゆうちゃんはここ♪」と自分の隣の座布団をたたいて示した。
佑介は苦笑しながら芙美の隣へ行き、栞は佑介の向かい側の真穂の隣に座った。
芙美の反対隣には咲子が座っており、晩酌をする男衆三人は上座を占めていたのだった。

夕食が始まると、場は途端ににぎやかになった。
いつも、母と祖母の3人で食事を囲んでいる佑介にとって、これだけ大人数の食事はちょっと慣れなかった。
もちろん、草壁家で食事をすることはゼロではなかったりするのだが。
空腹なことでもあるし、まずは目の前の夕食に専念することにした。

食卓の話題はあちらこちらへと飛ぶ。
区民大会のこと、栞や佑介の学校での様子。
直哉と絋次は勤め人らしい、最近の株価や市場の動きなど。
絋次の祖父母、史隆とやち代の様子も話題に上った。


「おおじーじ。きょうね、あのね。じーじとゆうちゃんがてあわせしたの」
芙美は自分の食事を終えると、早速今日の佑介と直哉----ふたりの手合わせのことを話し始めた。
「え、そうなんだ。見たかったな。佑くんとお父さんの試合」
「そうね。めったに見られるものじゃないし。残念ね」
栞と咲子は母屋でお茶の稽古をしていたので、ふたりが手合わせしたことは知らなかった。
「そんな、見るほどのものじゃ」
「・・・・また、やるだろうから、その時見においで」
「え?;;」
さらっと直哉が答えた。
が、佑介は、またあの上段に対峙することになるのかと思うと、そんなあっさりと返答できなかった。

次の時にはどのように攻めていったらいいのか。
今回のように立ち尽くすなんてことにならずに済むのだろうか。
あの、こちらをも取り込んでしまうような直哉の炎のような気迫に、どう向かっていったらいいのだろうか。
それにはやはり、稽古あるのみなのか。
いまの佑介には、まだわからなかった。

「すっごくかっこよくてね、ゆうちゃんがじじからいっぽんとったんだよ」
「・・・・ほう」
実は綱寛、こっそり道場を覗いていたようなのだが、そんなことはおくびにも出さない。
「でね、じじはこうやってかまえてたの。ふーちゃん、あんなのはじめてみたよ」
と芙美は両腕を上に振り上げた。
「上段!お父さん、上段に構えたの?」
剣道を習っていた頃に、直哉の上段を見たことがある咲子が言う。
「まあ、ね」
「・・・・めづらしいの、お前が上段を構えるなぞ」
そう言って、綱寛は直哉を見た。
「つい、熱くなりましてね。取られた一本は、それは見事なものでしたから」
「そんなことないですよ;;・・・・区民大会と一緒で覚えてないんですから」
横で話を聞いていた佑介はあわてて否定する。
「頭で覚えてなくても体が覚えているから動くんだよ、佑介くん。君の剣道はまだまだ伸びるよ」
にこやかな笑顔で直哉はそう言った。
「そうね。今は真っ直ぐだけど、実戦経験が増えてもっとこころも身体も成長して鍛錬していけば、また変わるわ。駆け引きも覚えるでしょうしね。・・・・わたしに以前、巻き技を使ったみたいに」
「あ、あれは、ちょっとためしてみたくて;;」
三段への昇段審査前の稽古をしていた頃、ネットの動画サイトでこの巻き技が使われた試合をたまたま見つけた佑介が、この巻き技を使ったらどのような感じになるのか真穂に仕掛けたのだ。
この時真穂はよほど油断をしていたのか、竹刀を弾き飛ばされてしまった。
「二度はないわよ」
「・・・・わかってます」
にっこりと微笑む真穂だ。

(こういう真穂先生はこわいんだよな)

「巻き技って?」
剣道の話はよくわからないので、それまで黙って静かに杯を重ねながらみんなの話を聞いていた絋次が尋ねる。
「剣道の技の一つでね。手首のスナップをきかせて、相手の竹刀をはじき飛ばす技のことよ」
咲子が身振りを交えながら、簡単に説明する。
「・・・・心理的に動揺を誘う技って感じだな」
「そうね。竹刀を落としたら反則一回取られるし、落とすまでいかなくても集中力が削がれるのは確かだもの。・・・・お父さんが試合でよく使ってたと思ったけど」
と、咲子は直哉のほうを見た。
「戦術の一つだからね」
さらりと直哉は受け流した。

「でも、本当にこの1、2ヶ月でぐんと伸びたわね。顔つきも変わってきたし。・・・・・祐孝さんに、佑介くんのお父さんに、今の佑介くんを見せてあげたいわ」
真穂がぽそりとつぶやいた。
「真穂」
直哉はそっとたしなめた。
草壁家でも佑介の父親-----祐孝の話はなんとなくタブーになっていた。
それは祐孝の亡くなり方が尋常じゃなかったから。
偶然にも、直哉と真穂はその祐孝の最後を、祐孝の妻であり佑介の母・小都子と祖母の梅乃とともに看取っていたのだ。
そして、佑介はどのようにして祐孝が亡くなったのか知らずにいた。
ゆえに、あえて話題にのぼらせることなく年月はすぎていたのだった。

「ゆうちゃんのおとうさん、ふーちゃんあったことないよ」
「そうだね。・・・・会うことは出来ないかな。もういないから」
場の雰囲気を崩すかのように、芙美が無邪気に佑介に聞くと、佑介は優しく笑いかけながら、芙美に答えた。
「佑介くん・・・・・」
その佑介の表情を見て、真穂や直哉は佑介の変化を感じ取った。

もしかして・・・・と。
区民大会直前に佑介がおかしくなったのは、祐孝のことが原因だったのではないかと。

もとの佑介に戻るまで数日が必要だったけれど、乗り越えられたからこそ今の佑介がある。

(こころもひとまわり大きくなっていたのね)

真穂が直哉をそっと見ると、直哉も同じように思っていたようで、ふたりしてうなづきあったのだった。

「いないの?ゆうちゃん、さみしくないの?」
「・・・・小さい頃は寂しかったよ。でも今は大丈夫」
「どんなおとうさんだったの?ふーちゃんのおとうさんみたいにかっこいいの?」
おしゃまな芙美の矢継ぎ早の質問を受けつつ、佑介がふと絋次を見ると、当の絋次は苦笑していた。
「そんないろいろ一度に聞いたら、佑介くん困っちゃうわよ、芙美」
咲子が口をはさむ。
「だって、ふーちゃんしらないもん」
ぷっと口をとがらす芙美。
「仕方ないでしょ」
咲子はふみをの頭をあやすように撫でた。
「あのね、佑介くんと佑介くんのお父さんはよく似てるわよ」
「写真を見た感じではそうだけど、咲ちゃんは佑くんのお父さんのこと覚えてるの?」
祐孝が亡くなったのは、佑介が今の芙美とそう変わらない頃だ。ゆえに同い年の栞が覚えてないのは無理もない。栞は、佑介の家の仏壇に飾ってある写真でしか祐孝を知らないのだ。
「おじさんが亡くなった時、わたしはもう12歳だったもの。覚えてるわよ。・・・・笑顔の素敵な優しい人だったな」
「それで、祐孝さんは咲子の初恋の人なのよね」
「お母さんっ;;」
真穂がさりげなく言うと咲子は途端、真っ赤になった。
「咲ちゃん、それホント?初耳」
「・・・・・;;」
栞が驚く前で、佑介はちょっと複雑な表情になった。
「・・・・そんなことお母さんに言った覚えないけど」
赤くなりながらも、咲子は反論を試みる。
「あら。自分で言ったわよ」
「言ってません」
「おかしいわね。学校へ行く途中で毎日会う、笑顔が素敵なお兄さんがいるって聞いてたわよ」
「~~~~~だからって、それが初恋だとは言わないでしょ」
「そ~お?・・・・栞を妊娠して退官してから小都子さんと知り合ったけど、小都子さんと祐孝さんがうちに遊びに来た時に、すごくショック受けてたじゃない、あなた」
-----自分の母親ながら、どうしてこう察しがいいのか。
小学生の頃、通学途中で毎日同じ時間にすれ違っているうちに自然と挨拶するようになり、一言二言話すようになった。
笑顔が優しくて、その笑顔が毎朝の楽しみだったのだ。
「もう、勝手言って!・・・わたし、追加のお酒持ってくるから」
と、そそくさと席を立ち、咲子は逃げるように台所へと行ってしまった。
「咲子ったら」
真穂はくすくすと笑う。
「お母さんにかかると、咲ちゃんも形無しだね」
いつも栞(と佑介)をからかう咲子だが、母親にはやはり勝てないようだ。
「当然よ。母親ですもの」
「お母さんてば。・・・・でもほんと、素敵な人だったんだろうな、佑くんのお父さん」
「そうよ」

-------佑介を、その命をかけて守った、立派な人。
祐孝の最後に立ち会った者として、佑介の成長を見守って行かなければと真穂と直哉は思ってきた。
自分の息子のように。
ゆっくりとではあったが娘の栞と佑介は互いの想いを近づけつつある。
遠くない将来、本当の息子になる日がくるかもしれない。
鬼が笑うかもしれないが、真穂はそんな風に考えていた。
2008.07.26
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