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本日のアップは、咲子とこーさんの過去話のひとつです。
一言で言えば、「告白編」。

思えば、今年のはじめに毬さんから佑介くんの告白場面のSSをいただいて(だから私はどうなるのか知っているのです、ふふふ)「うちのふたりはこんなだったよ~」とやっぱりSS書いて送りつけていたんですね(爆)
でもまあ、佑介くんの告白が無事すんでからアップしようと決めてました。
で、つい先日に佑介くん、直球ストレートで栞ちゃんに告白しましたですよ。
栞ちゃんからの返事はまだですが、そんな「NO」なわけありませんものねえ(^^)
・・・ということで蔵から出してきました(笑)

え~、「さわやか」は程遠いです(爆)微妙に「あだると」ていすとです(爆)←いつもか(大爆)
そんな咲子とこーさん、二人の「告白編」。大学二年の初夏です。
大丈夫な人はつづきをよむからどうぞ。



「だって咲子、星野くんとつきあっているんでしょ?」

一緒にテーブルに座る友人のひとりがいきなりそう告げた。
「だから、ちがうって!たまたま高校から一緒で部も一緒だからふたりでいる時が多いだけ」
(そんなことはない)
否定の言葉を何故か飲み込んだ。
「うそお。どうみても恋人同士にしか見えないよ?」
「そうそう。星野くんって咲子以外の女の子にはものすごくそっけないし。せっかくのイケメンもだいなし」
「ほんと。・・・・それに星野くんに咲子のこと『恋人でしょ?』ってきくとちがうとは言わないもの」
一緒にケーキをつつきあっている友人たちは、次々と事実を述べる。だが咲子は。
「そうだ、とも言ってないでしょ!・・・・とにかくあんななんでもぽんぽん言い返してくる、口の悪い男は願い下げなの。わたしは好きでも嫌いでもないんだから」
自身の心の奥の気持ちとは裏腹に、きっぱり言い切ってしまったのだ。
「あ、咲子・・・・」
向かいに座る友人の表情が曇った。
「?」
「口が悪くって、わるかったな」
振り向くと、絋次が立っていた。
弓道部の夏合宿についての連絡事項があったので、咲子を探していたところだった。
「・・・・・だって、本当のことじゃない」
「その俺と堂々と渡り合っているんだから、そっちも変わらんと思うが?口を開かないで黙っていた方がいいんじゃないか」
かっと咲子の顔が朱に染まった。
それは仲のいい友人からも常々言われていたことだった。
今時にはめずらしい漆黒の長い髪に、母親ゆずりの整った顔。スタイルもいい。服装も華美にならず清楚なものが多くて、黙って立っていれば、一見「お嬢様」風に見られていた。
だが口を開くと、これまた深川育ちの母親から受け継いだ鉄火な気性があらわれる。
それも「咲子」であるのだが、外見で判断する輩はとかくいつでも多いのだ。
・・・・・とくに、異性は。
「・・・・ばか!」
言い終わるやいなや、席を立ち、走り去ってしまった。

「咲子ったら・・・・。もう意地っ張り」
中学時代からの親友・佐藤泉は黙って事の成り行きを眺めていた。
いつになったら自分の気持ちに正直になるのものか、ずっとそう思っていたが、絋次の咲子に対するこの態度を見ていたら、咲子が素直になれないのも無理は無いと感じた。
「・・・・星野くん」
「・・・・なんだ」
「咲子のこと追いかけなくていいの?星野くんがわざと咲子につっかかっているのはわかってたけど今のはひどいわよ?」
「・・・・・・」
絋次は答えない。そんな絋次に泉はいらつく。
「星野くんが、高校時代から咲子に告白しようとする男子たちを影で追い払っていたの知ってるんだから。・・・・咲子に言ってもいいの?」
「!」
「はやく、追いかけて謝って。さっさとつかまえちゃいなさいよ。だらしがないわね」
きつい一言をお見舞いされた。
いつもなら、自分が何を言っても咲子は平気で言い返してきた。それが今日に限って違ったので内心かなり動揺していたのだ。
「情けねえな」
そうつぶやいて、すぐに咲子を追いかけた。


絋次の口の悪さは、初めて会話をかわした高校時代の弓道部に入部した時からわかっていたことで、それ以来お互い丁々発止やりあってきた。
喧嘩腰になろうが、絋次がこうやっていろいろ言ってくるのは自分だけ。だからどこかでそれを楽しんでいた。

だが、咲子は初めて絋次の弓を射る姿を見た時から、ずっと絋次に魅かれていたのだ。
最初にかわした言葉があまりに悪くて、その気持ちを封印していた。
だが、時々湧き上がってくる想いを無意識に閉じ込めて過ごしてきたけれど、そろそろそれも限界に近づいていたことを自覚出来ずにいたのだ。

「あ、道場・・・・」
とにかくあの場から離れたくて、行き先など考えずに走ってきてしまっていた。
次の時間休講だであることを思い出し、咲子は中で気持ちを落ち着かせようと思い、弓道場の扉に手をかけた。
「草壁!」
後ろから肩をつかまれたが、その手を払いのけ振り返り、目の前の相手をキッと見上げた。
「・・・・かわいげのない女に何の用?」
精一杯の虚勢。だが絋次を見上げる目は少し、赤かった。
苦い後悔が絋次の胸に広がる。
「・・・・用があるから探していたんだ。合宿についての連絡事項で」
「そう。でもそれ急ぎじゃないでしょう?あとできくから、今は戻って」
絋次に背を向け、ふたたび道場の扉に手をかけた。
「草壁、次の講義は?」
「・・・・休講だから。そっちは次の講義始まるでしょ?」
それで終わりにして中に入り扉を閉めようとしたが、閉まらなかった。
「待てよ」
すっと絋次も中に入ってきたからだ。
「講義出なくていいの?」
「講義なんかより、こちらの方が大事だ」
閉めた扉を背に咲子を立たせ、自分はその前に立った。
「なにが大事かわからないけど、そこをどいてくれない?」
「・・・・さっきは悪かった。言い過ぎたと思う」
まずは謝った。
「別に。いつものことじゃない」
どうでもいいというような咲子の態度に、理不尽と思いつつも腹がたち、大きな音をたてて咲子の顔の横に絋次は手をついた。
「・・・・いいかげん、素直になってくれ」
「なんのこと?そこをどいて」
咲子はとにかく絋次と一緒にいたくなかった。
・・・・・こらえている涙が今にも落ちそうだったから。
絋次の前でなんか、泣きたくなかった。
「いやだね。こっちだって限界だ」
「何が限界なの?!勝手なこといわないで。・・・・・今、あなたとなんか・・・・一緒に、いたくない、から・・・・」
もう、こらえることが出来ず、咲子は嗚咽を上げ始めた。

自分が何を言っても、咲子が泣きだすことなどなかった。
初めて家に来て祖母のやち代の前で思わず泣いてしまったあの時以来、どんな時でも泣いている姿を見ることなどなかったのだ。
それなのに、目の前の咲子は真珠の粒のような涙をぽろぽろと流している。

「そんなことをいわないでくれ」
絋次は咄嗟に涙をながす咲子を自分の腕の中に引き込んだ。
「はなしてよ」
泣いている顔をこれ以上は見せまいとうつむき、手で顔を覆う咲子。絋次はその咲子の耳元に口を寄せ。
「好きだ」
一言、囁いた。
え、と顔を上げた咲子のあごに手をかけ、そっとキスをする。
唇を離してから、もう一度『好きだ』と告げた。だが咲子は。
「-----うそつき。・・・・そんなこと信じない・・・・。はなして、お願い、だから」
抱き寄せた腕の中で身じろぎ、逃げようとする。
「じゃあ、信じさせてやる・・・・!」
腕に力を込め、さらに咲子をぐっと抱き寄せた。
今度のキスは、さきほどのふれるだけのものとはちがう、深く激しいものだった。
容赦なく追い立てる絋次の舌は、歯列を割って咲子の口内に侵入し、からめる。
息苦しくなった咲子が、少し唇の離れた時に呼吸をしようと口をひらけば、さらにもっとと絋次はその口内を侵すのだった。


ようやく唇が開放されたとき、咲子はもう立っていられず、ぺたりと床に座り込んでしまった。
絋次も同じようにしゃがみこんだ。
「これでも信じられないか・・・・?」
探るように問われ、うつむきながらも咲子は首をふる。だが絋次にはそれだけで十分だった。
「草壁・・・いや、咲子。・・・顔を上げて」
咲子と呼ばれうつむいていた顔をあげれば、目の前には優しく微笑んでいる表情の絋次がいる。
「高校の頃から、ずっと好きだったよ」
言うや、咲子の唇をまた捉えた。
絋次は頬に添えていた手を耳の後ろにまわし、ついばむようなキスをして唇を開かせ咲子を深く味わった。


ようよう咲子はキスの嵐から解放されたが、絋次は咲子を抱きかかえ離そうとはしなかった。
「あの、星野くん・・・・その・・・離してくれる?」
赤い顔で身じろぎをする咲子。
「・・・・返事は?」
「え?」
「返事をもらってない」
「!」
ここまでのことをしておいて何をいまさら返事などとは思うものの、確かに返事はしておらず。
「ちゃんと、言ってくれ」
うつむく咲子の耳に届く絋次の声音は真剣で。
「・・・・私も、・・・すき・・・」
意を決して言ったその言葉が届いた途端、絋次はまたもや咲子にキスをした。


(まずい、な)

絋次は自身の身体的変化を感じていた。
あきらかにヴァージンだとわかる咲子をこの場で組み敷くわけにはいかないので、なんとかからだを離す。
だが絋次の情熱的で濃厚なキスにより唇は艶めきふっくらとし、瞳はすっかり潤みきっている咲子は刺激が強すぎて。

(ちょっと待て。その顔は反則だ)

反則もなにも自分がそのようにさせたのだ。
もやもやを振り払うように思い切り良く絋次は立ち上がり、咲子も立たせた。
「星野くん?」
どこかそわそわしている絋次を咲子は訝しむ。
「はやくここから出よう」
「・・・・星野くんが勝手に入ってきたくせに」
それはその通りで。
だが。
「このままここにいたら、どうなっても知らないぞ。俺は今、自分の理性に自信が持てないんでね」
「!・・・星野くんのばかっっ!」
赤い顔をさらに赤くした咲子は、思いっきり絋次の頬をたたいた。


意地っ張りなふたりの思いはやっと通じ合ったが、甘い恋人の雰囲気はまだ当分お預けのようだった。
2008.09.30
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